家庭で食材を冷凍したら、食材の色が変わって捨てた!とか解凍後に食べたけどなんか美味しくないな?って感じたことありませんか?
実はそれ冷凍方法がダメなんですよ。
ということで今回は「家庭でできる食材を美味しく保存する急速冷凍の方法」をご紹介します。
この方法をマネすれば
- 冷凍時の食材の変色を防げる
- 冷凍した食材でも美味しく食べれる
このようなメリットがありますので、ぜひご覧ください。
準備するもの
まず今回の急速冷凍では、ご家庭には中々無い大量のアルコールを使用します。
しかしアルコールとそれを入れる容器があればできますのでとても簡単です。
必要なもの
- アルコール
- 容器
- 真空パックした食材
アルコール
今回使用したアルコールは「フードケア75」という商品ですが、他のものでも特に問題はありません。
選ぶ基準としてはエタノール成分が60%以上の物を選ぶようにしましょう。
食品に吹きかけても大丈夫な除菌スプレーなどが安心でお勧めです。
容器
そしてアルコールを入れる容器も準備しましょう。
金属製で冷凍用、蓋つきのものが使い勝手がいいでしょう。
用途に合わせたサイズを用意するのがベスト。
真空パックした食材
急速冷凍したい食材はできれば真空パックをしたいところ。家庭で真空にできない場合はなるべく空気を抜いてください。
家庭で急速冷凍する手順
実際に急速冷凍する手順は以下の通りです。
- アルコールを容器に入れ冷凍庫に入れて冷やしておく
- 真空パックした食材を冷やしたアルコールの中に入れる
- 急速冷凍された食材はアルコールから取り出し冷凍庫へ入れる
これで急速冷凍が家庭で出来ますよ。
簡単な補足事項が各工程でありますので、説明しますね。
アルコールを冷凍庫で冷やす
まずアルコールを冷凍庫で冷やしますがアルコールの主成分であるエタノールの凍結温度は-114.5℃なので、一般家庭の冷凍庫では凍ることはありません。
冷やされたアルコールは-20℃前後になっていますので、こぼさないように注意してくださいね。
蓋つきの容器に入れておけば、液体のままのアルコールをこぼしたりしないので便利ですよ。
アルコールが十分に冷えたら次の工程へ。
真空パックした食材をアルコールに入れる
次は真空パックにした食材をアルコールに浸けます。
徐々に色が変わり凍っていきます。
写真のように1人前のレバーであれば、3分くらいで完全に冷凍できます。中までカチコチです。
液体のアルコールの温度は−20℃前後となっていますので手などを入れると低温やけどになる危険性があるので、極力触らないようにしてください
これで家庭での急速冷凍はできましたが、なんでこれで急速冷凍ができるの?
って疑問に思いますよね。
なぜアルコールの使用で急速冷凍するのか
今回アルコールを用いた冷凍方法は「液体凍結」と呼ばれ、空気で凍結させるよりも熱伝導率が高く早く凍らせることができるのが特徴。
さらに食材を真空パックにすることで食材全体をまんべんなく冷やせますのでより効率がよくなります。
一方、一般家庭での冷凍は−18℃以下の冷たい空気を送り食品を凍結させているのですが、凍結するまでの時間が長いのが特徴です。
わかりやすい図解がありましたので引用します。
画像引用元:米田工機のアルコール凍結「リジョイスフリーザー」
ちなみに飲食店などで使う業務用の冷凍庫は、−50℃の冷気で一気に急速冷凍するものなどがあります。
急速冷凍と一般冷凍した食品はどう違う?
さて、液体冷凍が急速冷凍できることはわかったと思います。
では急速冷凍と一般冷凍と比べた場合、食品はどう違うの?って思いますよね。
と言うことで今回jfoodbrothersでは、牛レバーと鶏肉をそれぞれ急速冷凍と一般冷凍して比較してみました。
まず、大きな違いですが、ドリップの量です。
急速冷凍の牛レバー
一般冷凍の牛レバー
急速冷凍の方は冷凍する前とほとんど変わりませんが、一般冷凍の方はドリップ量が多く色味も悪いですよね。
ドリップって何?って方のために補足しますが、ドリップとは食品の組織液のことです。
水分が抜けた事による弾力の違いも今回のjfoodbrothersの実験で確認できました。
また鶏肉でも比較したのでそれぞれ違いをみましょう。
こちらもドリップ量が違います。
またお肉自体の色にも違いが出ました。明らかに肉の品質が変わりましたね。
比較した結果ですが
- ドリップの量が違う
- 色味と弾力が違う
どちらも急速冷凍の方がドリップが少なく色味もいい。弾力も冷凍前と変わらないという結果でした。
急速冷凍はなぜオススメなのか?
では急速冷凍と一般冷凍ではどうしてここまで違いがあるのでしょう?そしてドリップが出ることのデメリットは何でしょう?
先ほども言いましたが一般家庭で食品を冷凍庫で冷凍する場合、ゆっくり食品を冷凍させることになりますがこれを緩慢冷凍と言います。
緩慢冷凍では食品の中に含まれる水分が膨張し内部の細胞を壊しながら凍結されます。細胞が壊れているので解凍後には食品の内部の旨味や栄養を含んだ水分(ドリップ)が外に出てしまうというわけです。
一方急速冷凍した場合は食材の中の水分を一気に凍結させてるため、細胞を壊すことがありません。
1:冷凍前の細胞 2:急速冷凍の細胞 3:緩慢冷凍した細胞
参考画像は日本冷凍食品協会より引用
食品から出るドリップは水分とタンパク質を含んでいます。
このタンパク質の中には旨味成分が含まれているので、ドリップが出るということは味や栄養の低下にもなりますし、水分が抜けることでパサついた食感となってしまいます。
今回の例で簡単に言うと一般冷凍及び解凍したことによって、食材が「美味しくなくなった」ということです。
ということで、栄養素や旨味を閉じ込め、冷凍前の食品の味を損なわない保存方法が急速冷凍と言うことになります。
急速冷凍した食材の解凍方法
さらに細かい情報ですが、食品内の水分が凍る−1〜−5℃の温度帯が長いほど細胞を壊しやすいと言われていますので、食材の鮮度を保ちドリップを出さないようにするためにはこの時間帯を素早く通過する必要があります。
画像引用:HOSHIZAKI
ということは、解凍時もこの−1〜−5℃の温度帯を早く通過させる必要があるということです。
なので、冷蔵庫でゆっくり解凍すると解凍中に食材の細胞を壊してしまうので、せっかく急速冷凍した食材が台無しになります。
急速冷凍した食材は、流水やぬるま湯で素早く解凍するようにしましょう。
まとめ
今回は家庭でできる急速冷凍を紹介してきました。
最後にまとめますね。
準備するものは
- 60%以上のアルコール
- 蓋つきの容器
- 真空パックした食材
急速冷凍の手順は
- アルコールを冷凍庫で冷やす
- 真空パックした食材を冷やしたアルコールに浸ける
- 冷凍が完了したら食材を取り出し冷凍庫で保存する
家庭でできる急速冷凍を紹介しましたが、魚釣りに行って大量に魚が釣れた時など、急速冷凍を使って新鮮なまま保存できるといいですよね。
ぜひ家庭でできる急速冷凍やってみてください。
動画でも紹介していますのでよかったらご覧ください。